現在の職場環境に不満を抱え、退職を考えている方の中には「退職代行サービス」の利用を検討している人も多いでしょう。
しかし、退職代行サービスの選び方を誤ると、想定していた退職交渉ができなかったり、スムーズに辞められないなどの思わぬトラブルにつながる可能性があります。
ですが、退職代行を正しく活用すれば、精神的なストレスを軽減して即日仕事を辞めることも可能な便利なサービスです。
本記事では、「退職代行はやめとけ」と言われる具体的な理由や注意点、それでも利用がおすすめな人の特徴を徹底解説していきます。

退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、労働者に代わって会社に退職の意思を伝え、より確実な退職をサポートするサービスです。
退職代行サービスの最大の特徴は、退職希望者本人が会社と直接やり取りする必要がなく、精神的負担を軽減して辞められる点にあります。
ただし、サービス内容や対応可能範囲、料金体系は事業者によって異なることに加え、状況によっては利用を控えた方がいい場合もあるため、利用を検討する際は慎重な判断が必要です。
退職代行サービスが代わりに行う主な役割
退職代行サービスが提供するのは主に以下の3つです。
- 退職意思の伝達
-
退職代行サービスの最も基本的な業務が、退職希望者に代わって会社に「退職する」という意思を伝えることです。これにより、直接会社に連絡するストレスやプレッシャーから解放されます。
- 有給休暇の取得サポート
-
退職時に有給休暇が残っている場合、退職代行サービスが有給消化の希望を会社に伝えてくれます。
ただし、会社がこれを認めず「交渉」が必要になる場合は、労働組合や弁護士が運営する退職代行でなければ対応できないことがあるため、注意が必要です。
- 退職条件の交渉
-
有給休暇の消化だけでなく、未払いの給与や残業代、退職金の請求交渉も可能です。
ただし、こうした退職条件の交渉は法律上、民間の退職代行では対応できません。交渉を希望する場合は、労働組合または弁護士が運営する退職代行サービスに依頼する必要があります。
退職代行サービスは、どの業者でも「退職の意思を会社に伝える」ことは共通して行ってくれます。
しかし、それ以外の対応範囲は業者によって異なる場合があるため、依頼する前にしっかりと確認しておくことが大切です。

退職代行の運営法人による違い(民間企業・弁護士・労働組合)
退職代行サービスは、運営する法人によって対応できる業務範囲に大きな違いがあります。それぞれの対応可能範囲は以下表の通りです。
退職代行の運営者 | 対応可能範囲 | 料金相場 |
---|---|---|
民間 | 「使者」として退職の意思伝達のみ | 2万円前後 |
弁護士 | 退職に関する各種交渉 慰謝料請求など法的対応も可能 | ※別途追加報酬が必要なケースも有るため、事前に要確認 | 5~10万円
労働組合 | 退職に関する交渉も可能 | 団体交渉権によって、安価 2~3万円 |
民間企業が運営する退職代行は最も一般的で料金も比較的安価ですが、法的な制限があります。
これに対し、弁護士が運営する退職代行は、依頼者の代理人として会社との交渉が可能です。法律の専門家でもあるため、残業代請求や退職金の交渉、パワハラ問題への対応など、法的なトラブルがある場合に特に効果的です。ただし、依頼料はやや高額になる傾向があるため、注意が必要です。
労働組合が運営する退職代行は、団体交渉権を用いて会社側と交渉も可能であることに加え、利用料金も民間業者と大きく変わりません。ただし、退職を巡って損害賠償請求等の訴訟が必要になった場合は対応できません。
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基本的に、退職時の法的リスクがある場合は「弁護士」、法的リスクは低い状況で会社との交渉をして欲しい場合は「労働組合」の退職代行を選ぶといいでしょう。


退職代行料金は2万円〜5万円が相場
退職代行サービスの料金相場は、基本的に2万円〜5万円程度となっており、運営法人やサービス内容によって料金が変動します。
民間企業が運営する退職代行サービスは比較的安価で、多くが2万円台で利用でき、単純な退職の意思伝達のみであれば、これで十分なケースも多いでしょう。
労働組合が運営するサービスは2~3万円前後の場合が多く、有給消化などの基本的な交渉ができるメリットがあります。
ただし、法的なトラブルへの対応や専門的なアドバイスを受けられるため、状況によっては費用に見合う高い効果が期待できます。
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退職代行の利用料金はそこまで高額ではありませんが、本来、退職は自分で無料で行える手続きであるため、「やめとけ」「お金の無駄」と言われることも少なくありません。
依頼すべきか迷う場合は、自力で退職手続きを進める難しさや精神的な負担、さらに回収すべき未払い給与の金額などを踏まえて、総合的に判断するのがおすすめです。


「退職代行はやめとけ」と言われる7つの理由
退職代行サービスは、「上司と顔を合わせずに辞められる」「即日で退職できる」などのメリットがある一方で、SNSや口コミでは「退職代行はやめとけ」と否定的な意見も少なくありません。
では、なぜそのような意見が出てくるのでしょうか?
ここからは、「退職代行はやめとけ」といわれる以下の7つの理由について、具体的に解説します。
退職代行の費用に見合う価値があるか疑問
退職代行サービスの費用(2万円〜5万円程度)が「高い」と感じる人は少なくありません。
ただし、職場から強く引き止められている場合や、精神的に追い詰められて自分で交渉するのが難しい場合には、費用以上の価値を感じる人も少なくありません。
特に、「有給休暇の取得を認めない」「退職を申し出たら退職金や給与は支払わないと言われた」など、いわゆるブラック企業では、退職代行の利用によって金額以上のメリットを実感するケースが多いでしょう。
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退職代行の費用対効果に否定的な人の中には、「自力で退職するのが難しいブラック企業で働いた経験がない」という人も少なくありません。
しかし、実際に在職の強要やハラスメントが横行するブラック企業で働いている人にとっては、数万円で退職手続きを代行してもらえるサービスを「安い」と感じることもあるでしょう。
そのため、自身の置かれた状況や精神的な負担を踏まえて、慎重に判断することが大切です。
実績の浅い悪徳業者に騙される危険性がある
退職代行サービスはその知名度の増加に伴い、非常に様々な企業・団体が参入しています。
最悪の場合、料金を支払ったにもかかわらず、業者が退職の連絡をしなかったり、突然連絡が取れなくなったりするケースもあるため、「やめとけ」と言われる一因になっています。
そのため、退職代行を選ぶ際は過去の実績が確かなサービスや、弁護士が運営するものを選ぶようにしましょう。
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退職代行は「人生の節目」に関わる重要なサービスであるものの、許認可などは一切不要で、様々な業者が参入している玉石混合の業界です。
そのため、運営元の信頼性や利用者のクチコミを確認した上で、依頼する退職代行を選んだ方がいいでしょう。


民間の退職代行は会社との交渉が一切できない
民間企業が運営する退職代行では、「退職の意思を伝える」ことはできますが、有給休暇の取得交渉や未払い残業代の請求など、法的な交渉行為は一切できません。
しかし、労働組合(団体交渉権を持つ)や弁護士が運営する退職代行なら、法的に認められた範囲で退職条件の交渉が可能です。
そのため、有給休暇の取得や未払い給与の請求なども任せたい場合は、民間の退職代行ではなく、労働組合や弁護士が運営するサービスに依頼するのが安心です。
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民間の退職代行業者が「交渉」まで代行してしまうと、「非弁行為」と呼ばれる法律違反となります。
退職代行の対応に慣れている企業の場合、こうした違法行為を指摘され、結果的に退職手続きがスムーズに進まなくなる恐れもあります。
そのため、法的な交渉が必要になりそうな場合は、最初から弁護士や労働組合の退職代行サービスを利用することをおすすめします。


退職代行を使っても会社から直接連絡が来る場合がある
退職代行サービスを利用しても、完全に会社とのコンタクトを断ち切れるわけではありません。
これは、会社側が本当に退職の意思があるのか確認したい場合や、引き継ぎ事項について詳細を聞きたい場合など、業務上の正当な理由によるものかもしれません。
しかし、中には退職を思いとどまらせようとしたり、嫌がらせ目的で連絡してくる場合もあります。
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退職代行を利用時、正式に退職が完了するまでの間に会社から直接連絡が来ることは珍しくありません。
その場合は無理に自分で対応せず、届いたメールや留守番電話の内容を退職代行業者に伝え、代わりに対応してもらうようにしましょう。
損害賠償請求や懲戒解雇のリスクがある
退職代行サービスを利用しても、必ずしもトラブルなく円満に退職できるとは限りません。
しかし、正当な理由がなければ損害賠償請求や懲戒解雇が認められることはなく、退職代行を利用しただけでこうした措置が正当化されることはありません。
もしもこのような法的リスクが考えられるブラック企業から退職する場合は、法律の専門知識を活かして適切に対応でき、万が一の場合は訴訟も視野に入れられる「弁護士の退職代行」に依頼するのが安心な選択肢といえるでしょう。
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退職に際して損害賠償請求や懲戒解雇のリスクが現実的にありそうだと感じる場合は、自己判断せず、まずは弁護士の退職代行に相談してリスクを正しく見極めてもらうことをおすすめします。


退職後の書類手続きが遅延する可能性がある
退職代行サービスを利用した場合、源泉徴収票の発行や健康保険・年金の手続きがスムーズに進まないケースがあります。
このような退職後の手続き遅延を防ぐためには、アフターフォロー体制が整っている退職代行サービスを選ぶといいでしょう。
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アフターフォローが無い退職代行サービスの場合、退職関連書類が届かない場合に自分で直接対応する必要が出てくるため、退職代行を使って辞めるメリットが半減してしまいます。
退職代行の利用後に罪悪感を感じることがある
退職代行の利用者の中には、「自分の口で退職を伝えられなかった」「職場の仲間に迷惑をかけたかもしれない」と、退職後に罪悪感を覚える人もいます。
ただし、退職代行サービス利用者の多くは、自力で退職を伝えることが困難だった正当な理由があることが多く、新しい挑戦をするための手段として代行サービスを使うことは悪いことではありません。
「退職代行=悪」と決めつけず、自分の健康や人生を優先する決断は、むしろ前向きな一歩と考えるようにしましょう。


それでも退職代行サービスを使って辞めるメリット
「退職代行はやめとけ」という意見がある一方で、それでも利用を選ぶ人は年々増えています。その背景には、現代の職場環境ならではの課題や、退職に伴う精神的負担の大きさがあります。
ここでは、退職代行サービスを利用することで得られる以下の4つの大きなメリットについて解説します。
精神的ストレスなく退職できる
退職代行サービスの最大のメリットは、退職を伝える際の精神的負担を大幅に減らせる点です。
多くの人にとって、直接上司に退職の意思を伝えることは非常に高いハードルであり、退職の意思表示を先延ばしにしてしまいがちです。
退職代行サービスを利用すれば、こうした対面でのストレスフルなやりとりを完全に回避でき、精神的な負担を軽減できます。
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ただし、「退職を伝えるのが気まずい」といった理由だけであれば、まずは自分で退職の意思を伝えることを検討したほうが良いでしょう。
一方で、仕事や上司に対する強いストレスから「退職の話をしようとすると吐き気がする」「動悸が止まらない」といった身体的な不調が出る場合は、無理をせず退職代行の利用を前向きに考えることをおすすめします。
上司の引き留めやパワハラから完全に解放される
退職を申し出ても「人手不足だから」「今の時期は忙しいから」などの理由で強引に引き留められるケースは少なくありません。
このような場合であっても、退職代行を利用すれば、上司との直接対話は一切不要。引き留めや嫌がらせを受けることなく、ストレスなく退職できます。
そのため、在職強要されて辞められない場合や、日常的にハラスメントがある職場に勤めている場合は、退職代行で辞めることを前向きに検討するといいでしょう。
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「辞めるためには自分で後任を連れて来ないといけない」という独自ルールを退職希望者に課して、希望通りに辞めさせない企業に勤めている場合も退職代行の利用がおすすめといえるでしょう。
退職手続きの煩わしさから解放されて時間を節約
退職には意外と多くの手続きが必要です。退職届の作成・提出、会社備品の返却、業務の引き継ぎ、社会保険や年金の手続きなど、様々な事務作業をこなさなければなりません。
退職代行サービスは、これらの手続きをサポートしてくれるため、時間と労力を大幅に節約し、最短・最適なルートで退職することができます。
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特に「退職意思」が固まっている場合は、頭と時間のリソースを就職活動や転職先での活躍に使うためにも、退職代行の利用は有効な手段といえるでしょう。
即日退職が実現できるスピード感
多くの退職代行サービスでは「即日対応」が可能で、相談・申し込みから数時間以内に会社へ連絡してくれます。
これにより、「明日から会社に行きたくない」というような切迫した状況、今すぐにでも職場から離れたいという強い希望がある場合、このスピード感は大きなメリットといえるでしょう。
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精神的・肉体的に限界が近いと感じている場合や、会社の就業規則で民法の規定(正社員は2週間)を超える長い退職期間が定められている場合は、退職代行を利用して早期に退職することをおすすめします。
無理を続けることで体調を崩すリスクもあるため、速やかに環境を変える選択肢として退職代行は有効です。




ブラック企業から未払い給与や残業代を請求可能
退職予定の職場でパワハラやセクハラなどのハラスメントが横行していたり、未払いの給与や残業代がある場合は、退職代行(民間事業者は対応不可)を通じて慰謝料や未払い金の請求を行うことが可能です。
特に、弁護士が運営する退職代行サービスは労働問題への法的対応に強く、適切な金額を回収できる可能性が高いでしょう。
退職時に請求すべき金額の大小によって、弁護士に依頼する際のコスパが大きく変わりますので、未払い金の回収を依頼したい場合はまずは無料相談で詳細を確認するといいでしょう。
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ハラスメントによる慰謝料請求や未払い給与の回収を行う際は、どの程度証拠が揃っているかが非常に重要なポイントになります。
そのため、まずはタイムカードや勤怠表などの労働時間に関する記録、ハラスメントの発言が記録されたメモや音声データ、メール・チャットのやり取りなど、証拠となるものを可能な限り集めましょう。
準備が整ったら、弁護士の退職代行に相談し、具体的な回収方法や請求額についてアドバイスを受けることをおすすめします。


退職代行サービスを利用して辞めるのがおすすめな人の特徴
退職代行サービスは万人に必要なサービスではありません。しかし、特定の状況においては自分を守りつつスムーズに転職するための有効な手段になり得ます。
退職代行サービスの利用がおすすめな人の特徴は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
仕事のストレスや体調不良で出社が困難な状態にある
仕事のストレスや長時間労働によって、心身の健康が損なわれている場合は退職代行サービスの利用が強くおすすめです。
退職代行を利用すれば、会社に出向く必要もなく、すべてのやり取りを代行してくれるため、体調が回復するまで自宅で静養しながら退職手続きを進められます。
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心身に限界を感じた際には、自分自身を最優先に考えて行動する必要があります。
退職代行を使うことで精神的な負担が軽くなる場合は、遠慮なく依頼するようにしましょう。
パワハラやモラハラが日常化している職場環境にいる
上司からの叱責、人格否定、同僚からの無視や陰口など、パワハラ・モラハラが横行している職場では、退職の意思を伝えたくても恐怖心から行動できなくなることがあります。
このような有害な人間関係の職場で務めている場合は、退職代行を使って即座に縁を切ることがおすすめです。
また、「お前が辞めたら会社が回らなくなる」「辞めるなら違約金を払え」などの脅しを受けている場合は、特に第三者による退職代行が効果的です。
退職代行は、会社や上司のハラスメント行為から自分を守るための「最後の砦」として考えるといいでしょう。
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ハラスメントが横行している職場を辞める際は、できるだけ迅速かつ負担なく辞める手段として、退職代行の利用が効果的です。
できるだけ早く健全な環境の職場に転職するためにも、代行業者への依頼は前向きに検討するといいでしょう。
何度退職を申し出ても強引に引き留められている
退職の意志を伝えても、「今は人手が足りないからもう少し待って欲しい」「申し出から3か月は辞めれない」などと何度も強引に引き留められ、退職できずにいる場合は退職代行で辞めることがおすすめです。
ですが、退職代行サービスを利用すれば、会社との直接交渉不要で退職を確実に進められます。
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退職届を出しても認められず、何度交渉しても辞めさせてもらえない場合は、退職代行を使うべき代表的な状況といえるでしょう。


人間関係のしがらみなく速やかに退職したい
円満退職を目指したいと思いつつも、職場の人間関係に疲れ果て、できるだけ顔を合わせずに退職したいと考えている方も多いでしょう。
退職代行サービスを利用すれば、こうした人間関係のしがらみから解放され、新しい環境へ意識を向けることができます。
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円満退職が理想でも、必ずしもそれが自分にとって最善とは限りません。状況に合わせた退職方法を検討するようにしましょう。
サービス残業代や慰謝料を請求したい人
未払いの残業代がある、パワハラによる精神的苦痛に対する慰謝料を請求したいなど、金銭的な請求を伴う退職を考えている場合は、弁護士が運営する退職代行サービスの利用が特におすすめです。
弁護士が介入することで、法的な観点から適切な請求額を算出し、会社側と交渉することができます。
特にブラック企業に長期間勤務していた場合、未払い残業代が百万円に達するケースもあり、弁護士への成功報酬を加味しても、依頼する価値が高い状況といえるでしょう。
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退職時に自分で慰謝料や未払い残業代を請求するのは、労働関係法令などの専門知識がない限り、現実的には難しいのが実情です。
このような場合は、労働問題に強い「弁護士の退職代行」に依頼し、適切な法的手続きを通じて確実に請求を行うようにしましょう。


退職代行の利用はやめた方がいい人の特徴
退職代行サービスは万能ではなく、状況によっては利用しないほうが良いケースもあります。ここでは、退職代行サービスの利用を控えたほうが良い人の特徴を解説します。
上司や同僚との関係が良好で引き継ぎがスムーズにできる
職場の人間関係が良好で、上司や同僚とのコミュニケーションに問題がない場合は、自分で退職の意思を伝えるほうが良いでしょう。
また、円滑な引き継ぎを行うことで、自分の担当業務が適切に継続され、残された同僚に過度な負担をかけることを避けられます。
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良好な人間関係は大きな財産です。
直接感謝の気持ちを伝えて円満に退職すれば、人間関係のトラブルも回避でき、次のキャリアにもプラスになるでしょう。
退職金や有給休暇について有利な条件で交渉したい
退職金の増額や有給休暇の完全消化など、退職時に有利な条件で交渉したい場合、退職代行では十分な対応ができないことがあります。
特に、民間企業が運営する退職代行サービスは、代理人として交渉することができないため、こうした要望には対応できません。
そのため、退職金や有給休暇について交渉は自力で行うか、もしくは「労働組合」や「弁護士」の退職代行に依頼するようにしましょう。




同じ業界内で再就職や取引関係が続く可能性がある
同じ業界内での転職を考えている場合や、将来的に元の会社との取引関係が生じる可能性がある場合は、退職代行サービスの利用は慎重に検討すべきです。
そのため、同じ業界で転職を考えている場合は、できるだけ自分で退職交渉を行うのが理想的です。
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退職代行を利用したことは通常、関係者以外に知られることはありませんが、「噂」として広まる可能性はゼロではありません。
そのため、今後のキャリアや仕事に悪影響を及ぼす恐れがある場合は、自分で退職手続きを進めることを検討しましょう。
ただし、「同じ業界で働きたいが、強引に引き止められて退職できない」という場合は、労働基準監督署に相談することも選択肢の一つです。
余計な費用をかけたくない
単純な費用対効果の観点から、退職代行サービスの利用を控えたほうが良いケースもあります。
特に経済的な負担を少しでも減らしたいと考えている場合は、手間を惜しまず自分で進める方がコスト面でのメリットは大きくなるでしょう。
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「自分の代わりに退職を伝えてくれる」「会社の人と顔を合わせずに辞められる」といった退職代行の価値は、職場環境によって大きく変わります。
そのため、退職代行は「料金を払ってでも利用する価値がある」と強く感じる人だけが活用すべきサービスといえるでしょう。
「面倒だから」という理由で退職代行を使おうと考えている
単に「退職手続きが面倒」「直接言うのが気まずい」という理由だけで退職代行に頼るのは、おすすめできません。
退職は職業人生における重要な転機のひとつです。
多少の気まずさを乗り越えて自分で退職を伝えることは、ビジネススキルの向上にも役立ちます。
そのため、「伝えるのが面倒」「気まずい」と感じる場合でも、まずは自分の言葉で退職の意思を伝えてみることをおすすめします。
失敗しない退職代行サービスの選び方5つのポイント
退職代行サービスは便利な反面、選び方を間違えると「お金を払ったのに対応が不十分だった」「トラブルが解決しなかった」などの失敗につながる恐れがあります。
ここでは、後悔しないサービス選びのための5つの重要ポイントを解説します。
退職の状況に合わせた代行サービスを選ぶ
最も重要なのは、自分の状況に合った退職代行サービスを選ぶことです。退職理由や職場の環境によって、必要なサポート内容は大きく変わります。
単に退職の意思を伝えるだけであれば、民間の退職代行で十分な場合もありますが、退職条件の交渉や慰謝料の請求などには対応できません。
退職代行サービスは「民間」「労働組合」「弁護士」の3つに分類され、それぞれ対応できる内容や得意とする分野が異なります。以下は、運営主体ごとに利用がおすすめなケースです。
- 民間の退職代行
-
- とにかく早く退職の意思を伝えたい場合
- 特別な交渉や法的手続きは不要な場合
- 費用をできるだけ抑えたい場合
- 労働組合の退職代行
-
- 未払い賃金や有給休暇の取得など、一定の交渉を依頼したい場合
- 職場環境にハラスメントがある場合
- 会社との交渉力を重視したい場合
- 弁護士の退職代行
-
- 慰謝料請求や損害賠償請求をしたい場合
- 退職条件について法的な交渉が必要な場合
- 公務員や会社役員、業務委託の退職などの法律的に複雑なケースの場合
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自身の置かれてる状況を冷静に把握し、そのうえで最適な退職代行サービスを選ぶことが、退職をスムーズに進めるカギになります。
サービスの対応範囲を細かく確認する
退職代行サービスごとに対応範囲は異なります。「退職の意思を伝えるだけ」なのか、「退職届の提出や書類回収のサポートまで行うのか」など、どこまで対応してもらえるのかを事前に確認することが大切です。
確認すべき主なポイントは以下の通りです。
- 有給消化や未払い給与の交渉代行の可否
- 退職届などの書類作成サポートの有無
- 引き継ぎ書類の作成サポート
- 退職後の手続きのサポート
- 退職関連書類が届かない場合の確認・催促などのサポート
- アフターフォロー期間とその内容
事前の確認不足で「対応してもらえなかった」と後悔する人は少なくありません。サービス内容は必ず契約前に細かく確認しましょう。
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退職代行サービスの対応可能範囲は公式HPで確認の上で、詳細については無料相談で確認するようにしましょう。


基本料金の相場と追加料金の有無を確認する
退職代行サービスの料金は、民間や労働組合の場合は2~3万円、弁護士の退職代行は5万円前後が相場となっています。
特に重要なのは、追加料金の有無と条件を明確に確認することです。基本料金が安く設定されていても、後から「書類回収は追加料金」「即日対応は別料金」などの費用が発生するケースもあります。
退職代行の運営法人をチェックする
退職代行サービスの運営法人は大きく分けて3種類あり、それぞれに以下のような特徴があります。
退職代行の運営者 | 特徴 | 料金相場 |
---|---|---|
民間 | 退職の意思伝達しかできない | 安価 ( 2万円前後) |
弁護士 | 法的リスクの事前相談可能 訴訟対応もできる | 退職交渉可能高い 5~10万円 ※別途追加報酬が必要なケースも有るため、事前に要確認 |
労働組合 | 「交渉」も可能 | 有給消化や未払い給与の支払い等の安価 2~3万円 |
民間企業運営の退職代行は比較的安価で手軽ですが、法的な交渉権限がないため、退職の意思伝達と連絡の取次ぎが主な業務となります。
労働組合運営の退職代行は、労働者の権利保護を目的としており、有給休暇取得などの基本的な交渉が可能です。料金は中間的で、サービス内容とのバランスが取れていることが多いです。
弁護士事務所運営の退職代行は料金は高めですが、法的な交渉や請求も可能です。法的トラブルの可能性がある場合におすすめです。
会社との交渉力が高い退職代行を選ぶ
退職時に会社との交渉が必要になる場合は、交渉力の高い退職代行サービスを選ぶことが大切です。
特に、有給休暇の取得や未払い賃金の請求を行いたい場合は、労働組合が運営するサービスか、弁護士法人が運営するサービスの利用をおすすめします。
中でも弁護士による退職代行は、労働問題に関する法的なトラブルに強く、安心して交渉を任せられるのが大きなメリットです。
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退職時に有給休暇を消化することは法律上問題ありませんが、一部のブラック企業では「退職者の有給は認めない」と主張をする場合があります。
このように法律を超えた主張をする会社を退職する際は、交渉力がある退職代行を選ぶことが重要になります。
第三者の口コミや評判を確認する
退職代行サービスを選ぶ際は、公式サイトの情報だけでなく、第三者の口コミや実際の利用者の評判も必ずチェックしましょう。
SNSやレビューサイト、Googleマップなどでリアルな利用体験談を調べることで、サービスの実態が見えてきます。
また、トラブルが多発している業者は、消費者庁や国民生活センターに苦情が寄せられている場合もありますので、そうした情報も確認しておくと安心です。


信頼できる退職代行サービスとは?
退職代行サービスを選ぶ際、最も重要なのは「信頼性」です。
退職代行サービスは、自分の代わりに退職手続きを進めてくれる便利なサービスですが、運営主体によってサービス内容や対応範囲に大きな違いがあります。中には法令違反にあたる「非弁行為(違法な法律行為の代行)」を行う業者も存在するため、信頼できるサービスを見極めることが重要です。
ここでは、安心して利用できる信頼性の高い退職代行サービスの特徴を、運営主体別に紹介します。
ここでは、信頼できる退職代行サービスの特徴について解説していきます。
弁護士が行う安心の退職代行サービス
弁護士の退職代行は、法的な裏付けと専門知識によるサポートを受けられるため、最も安心感があるサービスといえるでしょう。
弁護士は法律の専門家として、労働問題に関する深い知識を持っています。退職に関する法的権利や義務を正確に理解し、適切なアドバイスが可能です。また、弁護士法に基づく守秘義務があるため、個人情報やセンシティブな内容も安全に取り扱われます。
最大の強みは「交渉権」を持っていることです。
弁護士による退職代行は費用が高め(5万円〜10万円程度)ですが、複雑な労働問題を抱えている場合や法的トラブルのリスクがある場合には、その専門性と安心感は費用に見合う価値があるといえるでしょう。
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法的リスクやトラブルが心配な場合は、迷わず弁護士法人の退職代行を選びましょう。
料金はやや高額ですが、安心感と確実性は何ものにも代えがたいメリットです。


労働組合運営の「交渉」が可能な退職代行サービス
労働組合が運営する退職代行サービスは、法律で認められた「団体交渉権」を活用できる点が大きな強みです。
そのため、有給休暇の取得交渉や退職日の調整など、基本的な条件交渉が可能です。弁護士ほどの法的な専門性はありませんが、労働者の立場に寄り添った交渉が期待できます。
費用の相場は2〜3万円程度で、交渉力とコストのバランスが取れた、コストパフォーマンスの高い退職代行サービスといえるでしょう。
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労働組合は、労働者が2名以上集まれば届出なしで簡単に設立できる団体です。
そのため、「労働組合の退職代行」の中には、非弁行為を回避しつつ退職条件の交渉を行うことを目的に設立された組合も少なくありません。
信頼できる労働組合の退職代行を選ぶには、運営歴や過去の退職代行実績をしっかりと確認することが重要です。


非弁行為をしない民間の退職代行サービス
民間企業が運営する退職代行サービスは、比較的安価で手軽に利用できる点がメリットです。
ただし、法的な交渉は一切できないため、「退職の意思を伝えるだけ」で問題が解決する場合に限定して利用するのが望ましいでしょう。
信頼できる民間業者は、非弁行為を行わず、明確に「対応できる範囲」「できない範囲」を説明してくれます。そのため、契約前には、必ず対応範囲と利用規約を確認しましょう。
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民間の退職代行も、「交渉」に対応するために次々と労働組合を結成しているため、現実的には完全民間運営の退職代行サービスは多くありません。
料金も労働組合型とほとんど変わらないため、特に理由がなければあえて民間業者を選ぶ必要はないですが、それでも民間業者を選ぶ際は「非弁行為をしない」を必須条件として選ぶようにしましょう。


この場合は退職代行の利用をやめておくべき?それとも使うべき?
「退職代行はやめとけ」という声があるように、退職代行サービスは非常に便利な手段ではあるものの、すべてのケースで最適な選択肢とは限りません。
状況によっては、自分で退職の意思を伝えたほうが得られるメリットが大きい場合もあります。
ここでは、具体的なシチュエーション別に「退職代行を利用すべきかどうか」を解説します。自身の状況に近いケースを参考に、最適な選択を検討しましょう。
毎朝、職場に向かう電車で過呼吸になる
結論:退職代行を使うべき
職場に向かう途中で過呼吸になるなど、深刻な心身の不調が出ている場合は、無理に出社を続けることで症状が悪化し、長期的な療養が必要になるリスクも高まります。
退職代行サービスを利用することで、会社との直接対面を避け、精神的負担を最小限に抑えながら退職することができます。代行サービスであれば、「依頼して即日出社不要」も実現可能なことに加え、残っている有給消化の交渉も代行してもらえるため、体調を整えたうえで転職活動に臨むことが可能になります。
仕事に起因する体調不良がある場合は、医療機関への受診もあわせて検討しましょう。診断書があれば、失業保険の給付制限期間が短縮される可能性があるため、在職期間中に受診することが望ましいでしょう。
退職を申し出たら「3ヶ月はやめさせない」と言われた
結論:退職代行を使うべき
「3ヶ月はやめさせない」という発言は、法的根拠のない不当な引き留めです。民法では、期間の定めのない雇用契約(無期雇用)の場合、労働者からの申し出から2週間で解約できると定められています。
また、契約社員や派遣社員等の「有期雇用」の契約期間中の退職の場合であっても、やむを得ない事由があればすぐに退職することが民法で認められています。
このように、法律で定められた条件を超えて不当な在職強要を受けた場合、弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスの利用が効果的です。法的根拠を示しつつ適切な退職の権利を主張し、不当な引き留めを防ぐことができます。
会社側が法律を無視した対応をしている時点で、自分だけで交渉するのはリスクが高いといえるでしょう。このような状況では、専門家のサポートを得ることが賢明な選択です。
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独自の就業規則によって退職予告期間を長くとっている会社は多いですが、実際は1か月前に伝えれば辞めさせてもらえる場合が多いでしょう。
ですが、一部のブラック企業では退職を認めず、ズルズルと退職日を引き延ばされるケースがあります。
このような場合は、労働基準監督署や退職代行サービスの利用を検討するといいでしょう。


毎月の残業時間が100時間超え、なのに残業代ゼロ
結論:弁護士の退職代行を使うべき
月100時間を超える残業は過労死ラインを超えていることに加え、残業代が支払われていないのであれば、明らかな労働基準法違反です。このような状況では、単に退職するだけでなく、未払い残業代の請求も検討すべきでしょう。
未払い残業代の請求を行う場合、弁護士が運営する退職代行サービスの利用がおすすめです。弁護士であれば、退職の意思伝達だけでなく、未払い残業代の計算と請求も同時に行うことができます。場合によっては、数百万円の残業代が支払われるケースもあります。
また、このような違法状態の会社に対しては、労働基準監督署への通報も検討する価値があります。弁護士であればその手続きのアドバイスも受けられるでしょう。
退職届を提出したら「それは受け取れない」と拒否された
結論:退職代行を使うべき
退職届の受け取り拒否も、法的根拠のない不当な対応です。退職の意思表示は口頭でも有効であり、書面の受け取り拒否によって退職の権利が失われることはありません。
しかし、このような対応をされると、退職の証拠が残らず、後々「退職の意思表示はなかった」と主張される可能性があります。
そのため、何度も退職届の受取拒否をされる場合は、退職代行サービスを介して退職の意思を明確に伝え、記録に残すことができます。
キャリアアップのために辞めたいが言い出しづらい
結論:基本的に自分で退職を伝えた方がいい
単に「キャリアアップのために転職したいが言い出しづらい」という場合は、基本的には自分で退職の意思を伝えるのが望ましいでしょう。
特に人間関係が悪くない、パワハラなどの問題がない場合は、退職代行サービスを利用するメリットは限定的です。
キャリアアップのための退職であれば、次の職場が既に決まっている場合も多いでしょう。その場合、スムーズな転職のためにスケジュール管理が重要になるため、早めに退職を申し出るようにしましょう。
仕事は大変だけど人間関係は悪くない
結論:自分で退職を伝えた方がいい
仕事は大変でも人間関係が良好な場合は、基本的に自分で退職の意思を伝えるほうが適切です。このような環境では、退職の意思を丁寧に伝え、適切に引き継ぎを行うことで、円満な退職が可能です。
退職代行サービスを利用すると、これまでの良好な人間関係を損なうリスクがあります。
また、将来的に同じ業界で再会する可能性や、推薦状が必要になる可能性を考慮すると、直接コミュニケーションを取ることが長期的には有利に働くでしょう。
退職後に同じ業界で働く予定があり、今の会社と関係を悪くしたくない
結論:自分で退職を伝えるべき
同じ業界内で転職を考えている場合、現在の会社との関係を維持することは非常に重要です。特に日本のビジネス環境では、業界内のつながりや評判が大きな影響力を持ちます。
退職代行サービスを利用すると、どうしても「直接対話を避けた」という印象を与えてしまい、関係性を損なう可能性が高くなります。
将来的に元同僚や上司と再び仕事をする可能性や、取引先として関わる可能性を考慮すると、丁寧な対話を通じて退職するほうが賢明といえるでしょう。
退職代行はやめとけといわれる理由まとめ
この記事では、「退職代行はやめとけ」と言われる理由と、それでも利用すべき状況について詳しく解説してきました。結論として、退職代行サービスは万能ではなく、状況によって使い分けるべきサービスだといえます。
「退職代行はやめとけ」と言われる主な理由は以下の通りです。
一方で、パワハラやモラハラが横行している職場、強引な引き留めに遭っている場合、心身の健康が損なわれている場合などは、退職代行サービスの利用が有効な解決策となります。特に弁護士や労働組合が運営するサービスであれば、単なる退職の意思伝達だけでなく、労働者の権利を守るための交渉も期待できます。
最終的には、「自分の健康と将来のキャリア」を最優先に考え、それぞれの状況に応じた最適な選択をすることが大切です。
退職は誰にとっても大きな決断であり、人生の大切な転機です。しかし、適切なサポートを受けることで、不安を軽減し、前向きに次のステージへと踏み出せるでしょう。

