退職を考えているものの、直接会社に伝えることに不安を感じていませんか？近年注目を集める「退職代行サービス」は、そんな悩みを抱える方々をサポートする専門サービスです。
本記事では、退職代行サービスの仕組みから、メリット・デメリット、適切な利用のタイミング、選び方のポイントまで、安全な退職に向けて必要な情報をわかりやすく解説します。
費用相場や利用の流れも詳しく紹介しているので、退職代行の利用を検討している方は最後までご覧ください。
退職代行サービスとは？
退職代行サービスについて、基本的な定義から具体的な特徴まで、わかりやすく解説していきます。近年注目を集めているこのサービスは、働く人々の新しい選択肢として認知されつつあります。
会社への退職手続きを専門家が代わりに行うサービス
退職代行サービスとは、その名の通り従業員本人に代わって専門家が会社に退職の意思を伝え、必要な手続きを行うサービスです。
本来、退職は労働者本人がひとりで手続きできるものですが、中には職場での人間関係の悩みや過度な引き留めへの不安から、自分で退職を申し出ることが困難な状況にある場合もあります。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)職場によっては上司のパワハラ・セクハラがひどく、退職を直接言い出しづらい人もいるでしょう。
ですが、仕事を続けることで心身に強いストレスを感じている場合、一刻も早く退職すべき状況といえるでしょう。
その際には、退職代行サービスという「確実に素早く退職できる方法」を選ぶことも、選択肢のひとつとして考えられます。
退職代行サービスの3つの形態
退職代行サービスには、主に以下の3つの形態が存在します。それぞれに特徴があり、状況に応じて最適な選択が異なります。
- 弁護士による退職代行
-
- 法的な権限を持つ代理人として退職手続きを代行
- 有給休暇や未払い賃金、残業代等に関する交渉が可能
- 損害賠償請求をされた場合も対応可能
- 労働組合による退職代行
-
- 労働組合法に基づく団体交渉権を保有
参照：e-GOV法令検索「労働組合法」 - 退職条件（未払い賃金や有休休暇等）について交渉可能
- 弁護士に依頼するより費用が比較的安価な傾向
- 労働組合法に基づく団体交渉権を保有
- 民間事業者の退職代行
-
- 退職の意思伝達と書類提出の代行に特化
- 退職に関する「交渉」は一切できない
- 安価に利用できるサービスが多い
退職の意思を会社に伝えることの代行のみであれば、民間の代行業者でも可能です。
そのため、退職員伴って会社と交渉が発生する可能性が高い場合は、弁護士、もしくは団体交渉権を持つ労働組合の退職代行サービスへ依頼するといいでしょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)民間の事業者が運営している退職代行の中には、交渉が必要になった場合に提携している労働組合と連携し、団体交渉権によって交渉をしてくれるサービスもあります。
退職代行を利用する際は、発生しそうなリスクを予想したうえで、適切な業者を選ぶようにしましょう。
平均費用は2万円から10万円の範囲
退職代行サービスの費用は、利用する形態や依頼内容によって大きく異なります。一般的な費用の目安は以下のような範囲となっています。
民間や労働組合が運営する退職代行サービス会社の場合、基本的な退職手続きであれば2万円から5万円程度で利用できます。
そのため、退職代行の利用を検討する際は、費用の内訳を念入りに確認するようにしましょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)退職は一人でも十分可能なため、この費用を高いと感じる場合もあるでしょう。
その際には、必要な費用と、退職代行を使うことで軽減される手間や心理的負担を比較したうえで、利用を検討するといいでしょう。
退職代行サービスのメリット
退職代行サービスは、自分で退職を行う苦痛や手間が大きい人にとって、メリットを感じやすいといえるでしょう。退職代行を利用する主なメリットは以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
精神的な負担なく退職できる
退職代行サービスの最大のメリットは、退職に伴う精神的な負担を大幅に軽減できることです。
- 退職を告げる際の上司との対面での話し合いが不要
- 引き留めや説得による精神的プレッシャーを回避できる
- 職場の人間関係に悩むことなく、手続きを進められる
退職代行を利用することで、多くの方が退職時に感じる不安や緊張、ストレスから解放されることで、次のキャリアに向けて前向きな気持ちで準備を進めることができます。
特にパワハラや過度な引き留めが懸念される職場環境では、このメリットは非常に大きな意味を持ちます。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)仕事が辛く、上司に自分で退職を言い出すことが精神的に大きな負担になる人は、退職代行の利用がおすすめです。
心身の負担が継続すると、退職後の転職にも悪影響が出てしまいます。
「今の長くは続けられない」と感じる場合は、早めの退職を検討するといいでしょう。
法的な専門家のサポートが得られる
退職代行サービスでは、特に弁護士が介入するケースにおいて、専門的な法的サポートを受けることができます。
例えば、未払い残業代の請求や有給休暇の消化、退職金の算定など、複雑な労務問題についても専門家の支援を得ながら対応できます。
また、セクハラやパワハラなどのハラスメント被害に遭っている場合も、法的な観点から適切な対応方法についてアドバイスを受けることができ、安全かつ納得感のある形で退職を進めることが可能になるでしょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)特に、退職に伴って損害賠償を請求されることが予想される際は、弁護士が行う退職代行がおすすめです。
民間事業者や労働組合では訴訟等の法的対応は出来ませんが、弁護士であれば退職代行から一貫して以来をすることが可能です。
スピーディーな退職手続きが可能
退職代行サービスを利用することで、通常よりも迅速な退職が可能になります。
正社員（無期雇用）の場合、法律上は退職日の2週間前までに申し出が必要になりますが、多くの会社では1か月以上前に申し出が必要と就業規則に定めています。
退職代行サービスの担当者は、豊富な経験と専門知識を活かして効率的に手続きを進めます。
必要な書類の準備から提出まで、スムーズに対応してくれるため、通常であれば数週間から数ヶ月かかる退職プロセスを短縮することが可能です。
特に緊急性の高いケースでは、即日対応なども可能な退職代行サービスもあるため、状況に応じて柔軟な対応を選択できます。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)退職のプロである代行業者に依頼することで、即日退職が可能になるケースが多いようです。ですが、企業側の対応次第では、必ずスムーズに退職できるとは限りません。
退職に対して交渉が必要になる恐れがある場合は「労働組合」、法的な対応が必要になる可能性がある場合は「弁護士」の退職代行に依頼を検討しましょう。
退職代行サービスのデメリット
退職代行サービスには多くのメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットや注意点も存在します。退職代行のデメリットは以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
一定の費用が必要になる
退職代行サービスを利用する際には、必ず一定の費用負担が発生します。
退職代行の利用料金は代行サービスによって異なりますが、おおむね2～10万円程度となっています。通常は不要な費用であることを考えると、決して安くはありません。
また、基本料金に加えて、状況に応じて追加料金が発生するケースもあります。
納得感のある退職サービス利用をするためには、退職に伴ってどれくらい費用が掛かるのか、細かくチェックしておきましょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)退職代行の費用は決して安くはありません。
ですが、代行費用を支払うことで、心理的な負担を軽くし、自分で退職を行うよりもスピーディーな退職が実現可能です。
ただし、運営事業者によって対応可能範囲や料金が大きく異なるので、退職代行を利用する際は自身の状況に合わせたサービスを選びましょう。
会社との円満な関係が築きにくい
退職代行サービスを利用することで、辞める会社との関係性に一定の影響が生じる可能性があります。
特に日本の企業文化においては、面と向かって退職の手続きや挨拶をすることを重視する傾向があるため、代行サービスの利用は望ましくないと捉えられることがあります。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)円満退職を重視する場合は、退職代行を使わずに辞めることが望ましいです。
ただし、心身の負担が大きいと感じている場合や、引き留められて辞められない場合は、退職代行の利用も適当といえます。
次の就職活動へ影響が出る可能性
退職代行サービスを利用して退職した場合、転職活動に影響が出る可能性があることも考慮する必要があります。
特に日本の企業文化においては、前職の退職理由や退職時の対応が、次の就職先での評価に影響を与えることも少なくありません。
また、リファレンスチェック等を行う企業の場合は、前職の評判を確認されることで、退職代行サービスを利用したことがバレる可能性もあります。
そのため、転職予定の業界やキャリア設計次第では、退職代行の利用は慎重に検討する必要があるでしょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)退職代行の利用が転職先に伝わる可能性は低いものの、ゼロではありません。
そのため、退職する際はまず「自力で退職する方法」を模索した方がいいでしょう。
自力で退職することが難しい場合に、心理的な負担やスピード、費用負担などを考慮したうえで、退職代行の利用を検討するようにしましょう。
退職代行サービスの利用を検討すべき状況
本記事で何度もお伝えしている通り、退職代行サービスは、すべての退職希望者に必要というわけではありません。
しかし、特定の状況下では、退職代行の利用が最適な選択肢となる場合があります。
退職代行サービスの利用がおすすめな状況は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
職場でのパワハラや過度な引き留めが心配
パワハラが横行していれる職場環境では、退職代行サービスの利用が有効な解決策となります。具体的には、以下のような状況の場合は、退職代行の利用を前向きに検討するといいでしょう
- 上司から執拗な叱責や脅迫的な言動
- 過重な業務負担の強要
- 職場での孤立化や無視などの精神的嫌がらせ
上記に加え、退職を申し出た際に過度な引き留めが懸念される場合には、退職の専門家による介入してもらい、心理的な負担を軽減して退職することがおすすめです。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)パワハラが退職したい理由なのに、上司が怖くて自分では退職が言い出せない、という事例をよく耳にします。
その状況では、時間の経過とともに心身の不調を招き、転職した際にも悪影響を出しかねません。
自分で退職をするハードルが高い人の場合は、退職代行の利用を検討するといいでしょう。
退職時の不当な扱いが懸念される
退職を申し出た際に、不当な扱いを受ける可能性がある場合も、退職代行サービスの利用を検討すべき状況です。
例えば、残業代の未払いがある企業や、有給休暇の取得を制限している職場では、退職時に適切な精算や権利の行使が妨げられる可能性があります。
心身の不調で直接話し合う余裕がない
メンタルヘルスの問題や身体的な不調により、直接の話し合いが困難な状況でも、退職代行サービスは有効な選択肢となります。
具体的には、以下のような状態にある場合、退職代行サービスの利用を積極的に検討すべきです。
- メンタル不調で通院及び療養が必要
- 過度なストレスで体調不良が継続している
- 長期の休職後、円滑な職場復帰が難しい
このような状況では、自身の健康回復を優先しながら、専門家に退職手続きを任せることで、心身の負担を軽減することができます。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)働いてお金を稼ぐことは決して楽なことではありませんが、心身の不調が出る職場は自分にとって相性が良くないといえるでしょう。
必要な療養、および転職の時間を確保するためにも、退職代行サービスの利用を検討しましょう。
退職代行サービス利用の流れ6ステップ
退職代行サービスを実際に利用する際の主な流れを、以下の5つのステップに分けて解説します。各ステップでの注意点も含めて確認していきましょう。
無料相談で状況を詳しく確認
退職代行サービスの利用は、まず無料相談から始まります。
自身の状況を詳しく説明し、適切なサービスプランの提案を受けることができます。
初回相談では、以下のような項目について詳しく説明することが重要です。
- 雇用形態
- 現在の職場環境や退職を考えている理由
- 希望する退職日
- パワハラなどの特別な問題の有無
- 未払い残業代など金銭的な問題の有無
具体的なプランと費用および退職の流れを打ち合わせ
状況の確認後、退職代行業者から具体的なプランと費用の提示があります。
この段階では、提案された内容を慎重に検討することが重要です。
また、退職代行を利用する場合の流れについても、このタイミングで説明されることが一般的です。
契約および支払い
退職代行の対応内容と料金に納得した場合、契約の上、支払いを行います。
※退職代行は料金先払いになるのが一般的です。
退職代行の必要な書類の準備
退職代行依頼に伴い、手続きに必要な以下の書類を準備します。
- 退職届
- 本人確認書類のコピー
- 委任状
- その他会社固有の必要書類
※退職代行サービスによって異なります。
退職日の決定と退職手続き
打ち合わせで決めた退職日に基づいて、代行業者から会社へ連絡を行い、退職日の調整や必要な手続きを進めていきます。
退職手続きの過程では、会社との調整が必要となる場合もありますが、基本的には代行業者が間に入って対応してくれます。
この際、弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスの場合、交渉迄対応可能になるため、スムーズに退職が進みやすいでしょう。
退職確定
退職が確定すると、会社からの書類受け取りや、健康保険証の返却などの最終手続きが行われます。この段階では以下の点に注意が必要です。
- 未払い賃金や時間外手当の清算
- 退職金の算定内容
- 未消化の有給休の取り扱い
退職代行サービス選びのポイント
退職代行サービスを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。適切なサービスを選択することで、スムーズな退職プロセスを実現することができます。
実績や口コミをチェックする
退職代行を選ぶ際には、実績や評判をチェックすることが重要です。信頼できる退職代行サービスは、以下のような特徴を備えています。
- 具体的な成功事例の公開
- 利用者からの詳細な口コミや評価
- メディアでの紹介実績
実績については、単なる件数だけでなく、どのような案件に対して、どのように対応したのかという具体的な内容まで確認することが望ましいでしょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)利用者のクチコミは退職代行業者のHPではなく、外部の口コミサイト等をチェックすることで、よりリアルな情報を得られるでしょう。
料金体系を確認する
退職代行サービスの料金体系は、サービスによって大きく異なります。そのため、代行業者を選択する際には、基本料金だけではなく追加料金の有無や返金制度について、重点的にチェックする必要があります。
基本料金に加えて、どのような場合に追加料金が発生するのか、支払いのタイミングはいつなのか、といった点について確認しておきましょう。
また、キャンセル時の返金規定についても、事前に確認しておくといいでしょう。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)万が一退職できなかった場合の返金規定や、未払い賃金を請求できた場合の成功報酬の有無などを事前に確認しましょう。
対応可能な退職トラブルの範囲を把握する
退職代行サービスが対応可能な退職トラブルの範囲は、サービスの形態によって異なります。
前述したように、退職代行業者には3つの種類があり、自身が抱えている問題に適切に対応できるサービスを選択することが重要です。
例えば、単純な退職手続きのみを希望する場合は、民間の退職代行サービスで十分かもしれませんが、未払い残業代の請求や労働条件に関する交渉が必要な場合は、弁護士や労働組合による退職代行を検討する必要があります。
対応可能な範囲について、以下のような観点から確認することをお勧めします。
- 労働条件に関する交渉の可否
- 法的支援の有無
- 緊急対応の可否
- パワハラ・セクハラ案件への対応実績
退職代行業者を選ぶ際には、自身の状況を客観的に分析し、必要なサポートを見極めた上で、最適なサービスに依頼することが重要になります。
退職代行サービス利用時の注意点
退職代行サービスは、退職の意志を伝える手続きを代行してくれる便利なサービスですが、利用する際には注意が必要です。不適切な業者を選んでしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
ここでは、退職代行サービス利用時の主な注意点について解説します。
それぞれ詳しく解説していきます。
非弁行為を行う退職代行業者を避ける
退職代行サービスを提供する業者の中には、非弁行為を行うところがあります。
例えば、「未払いの残業代の請求」や「退職に関する条件の交渉」といった業務（※）は、基本的に弁護士にしか許されていません。
非弁行為を行う業者を利用すると、結果的にトラブルが発生し、自身が損害を被る可能性があります。
そのため、退職代行業者を選ぶ際には、弁護士が代行を行うサービスを選ぶ方が安全といえるでしょう。
退職を保証するものではない
退職代行サービスを利用したとしても、必ずしも退職が成功するとは限りません。特に、雇用契約の内容や会社の状況によっては、退職手続きが複雑になる場合があります。
退職事業者によっては、「退職実績100%」といった広告をしているケースもありますが、これらはあくまで過去の実績です。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)退職代行を利用することで、基本的に問題なく退職できる場合が多いのも事実です。
ですが、交渉の発生や法的対応の有無など、退職に伴って起きうる問題を事前に想定したうえで、サービス利用を検討したほうがいいでしょう。
損害賠償を請求される可能性もある
退職代行を利用した結果、退職手続きが適切に行われない場合、会社側から損害賠償を請求されるリスクも考えられます。
退職代行サービスを利用する際は、事前に必要な手続きをしっかりと確認し、会社に極力迷惑がかからないよう配慮することが重要です。
退職戦略室 編集部(キャリアコンサルタント)損害賠償請求された場合の対応は、弁護士にしかできません。
損害賠償を請求される可能性があるような職場にいる場合は、スムーズに退職するためにも、最初から弁護士が運営する退職代行へ依頼するといいでしょう。
退職代行サービスに関するよくある質問と回答
退職代行サービスについて、多くの方が疑問に思う質問と回答をまとめました。サービス利用を検討する際にぜひチェックしておきましょう。
即日対応は可能なのか
多くの退職代行サービスでは、即日対応が可能です。
法律上、正社員の場合は退職日の2週間前に退職を申請する必要がありますが、有給休暇が残っていれば、会社に行かずにそのまま退職をすることも可能です。
また、給与は発生しなくなりますが、欠勤を申し出ることで、即日退職を実現することも可能です。
※欠勤期間中の給与は発生しません。
手続き上の退職日の調整は必要なケースが多いですが、退職代行依頼後に上記の流れをとることで、1度も出勤をせずにそのまま退職をすることが可能です。
退職代行は非弁行為にならないのか
退職代行サービスが行える業務の範囲は、法律によって明確に定められています。
単なる退職意思の伝達や書類の取り次ぎは非弁行為には該当しませんが、退職条件の交渉や法的助言を行うことは弁護士法で禁止されています。
そのため、一般の退職代行業者は、これらの業務を行うことはできず、交渉が必要な場合は弁護士に依頼する必要があります。
退職に伴う交渉はできるのか
退職に伴う交渉の可否は、利用するサービスの形態によって異なります。
一般事業者の運営する退職代行サービスでは退職意思の伝達のみしか行えませんが、弁護士による退職代行では、退職金や未払い残業代などの交渉も可能です。
また、労働組合を通じた場合も、団体交渉権に基づいて様々な交渉を行うことができます。
未払い残業代や有給休暇の扱いはどうなるのか
未払い残業代や有給休暇に関する請求は、適切な法的根拠に基づいて行う必要があります。
一般の退職代行業者ではこれらの交渉はできませんが、弁護士や労働組合を通じて請求することが可能です。具体的な金額の算定や請求方法については、専門家のアドバイスを受けながら進めることが推奨されます。
退職代行サービスに関するまとめ
退職代行サービスは、従業員に代わって退職の意思表示や手続きを行うサービスとして、近年急速に認知度を高めています。
弁護士、労働組合、民間業者という3つの形態があり、それぞれの特徴や対応可能な範囲が異なります。
費用は2万円から10万円程度が一般的で、特に職場でのハラスメントや過度な引き留めに悩む方々にとって、有効な解決策となっています。
サービスを選択する際は、自身の状況に合わせて適切な形態を選ぶことが重要です。特に、交渉や法的支援が必要な場合は、弁護士や労働組合の利用を検討すべきでしょう。
退職代行サービスは、あくまでも退職のプロセスをサポートするためのツールの一つです。
可能な限り、まずは直接の対話を試みることを推奨しますが、それが難しい場合の選択肢として、このサービスを検討することで、心理的な負担を軽減しながら、円滑な退職プロセスを実現することができます。